クロコデザインのD2Cブランド、『SLDO.(エスルド)』誕生ストーリー

こんにちは、はじめまして。
SLDO.クリエイティブディレクターの瀬尾です。
ブランドデビューから2カ月。繊研新聞にも掲載され、少しずつ事業の成長を感じられるようになってきました。
SLDO.はブランドの立ち上げから素材の選定、ECサイト作成・運営、広報活動に至るまで、全てをクロコデザインが行っています。
ありがたいことに日々の取り組みについてご質問いただくことも増えてきたので、これまでクロコデザインがやってきたことを振り返りたいと思います。

 

はじめに



私のミッションは「SLDO.」というブランドをどう生み出し、どう育て、どう知ってもらうのかを日々考え実践することです。
昨今は「ブランディング」という言葉が乱立していて、ブランド=高価格帯や、デザインや世界観がかっこいい、といったような間違えた捉えた方をされることも多いように感じます。

ブランディングが強固であるかどうかは、「自社ブランドをどう認知されたいか」という理想像と世間からの認識の一致度合いであって、それは一朝一夕で作り上げられるものではありません。

 

【目次】

● 1.Product 
 ・コンセプト策定とポジショニング
 

・認知されやすいブランド名
 ・初回の商品設計にこだわる
 ・商品価値を高める同梱物
 ・上質なパッケージデザイン

● 2.Price 
 ・「提供したい価値」を妥協せず届ける価格設定

● 3.Promotion
 ・どう認識されたいのか

 

 

1.Product

 

コンセプト策定とポジショニング

SLDO.では「経営者の日常に対応できる全く新しいゴルフウエア」という新しい価値観に則したモノづくりを目指しています。

SLDO.の立ち上げは、弊社社長の黒田がコロナ禍をきっかけに新しいことをはじめたいという思いと、経営者にとってゴルフはビジネスと切っても切れないものであるにも関わらず、しっくりとくるゴルフウエアがないという状況がきっかけです。

プロジェクトが始動した2021年1月当初は、

海外のゴルフウエアを参考にゴルフ中心の事業計画を策定していました。

但し下記2点を理由に、既存ゴルフアパレル文脈でのブランド作りではなく、独自の戦略が必要であると考えました。

・海外と日本国内のゴルフ事情の違い。
・コロナ禍で変化したビジネス環境とゴルフ、どちらにもマッチするウエア。


当時の私はアパレルから転職してきたばかり。
ライフステージが変わることによって、ビジネス環境や自分自身のリミテーションが大きく変化することを肌で感じており、実際に経営者の方々が選べるアパレルの選択肢の少なさも感じていたところでした。

経営者が、妥協せず、前向きに選択できるゴルフウエアを作りたい。

その想いから、「上質なプロダクト」「個々のライフスタイルに寄り添うサービス」を実現するブランドを作ると決め、既存ゴルフアパレルにはない「ライフスタイルブランドの製品」としてブランドを位置づけました。

 

 

認知されやすいブランド名

 

 
SLDO.の由来は「SHIELD(シールド)」
身に纏う盾をイメージ。

SLDO.を纏うことによって、日々のビジネスやゴルフをより快適に過ごしてほしいという想いが込められています。


ネーミングで意識したポイントは2点。


1.一見して何のブランドかイメージできること

アパレルとまでは分からなくても、ゴルフに関連するブランドであることが分かるワーディングを意識しました。
ブランド名からサービス内容が伝わりやすいことは、マーケティングの費用対効果を向上する一因になると考えています。

2. シンプルで覚えやすいワードであること

見た目や発音した時の感じを考慮して、記憶に残りやすいネーミングにしました。
また、シンプルなブランド名は、SNS等で検索しやすいというメリットもあります。
※検索面で1位が取れそうか、UGCが上がりやすいか等も合わせて確認しておくと良いです。 

初回の商品設計にこだわる


アパレルの開発は、膨大なSKUがまず第一の壁。SKUが多いと開発だけでなく在庫管理や物流も難易度も上がるので、立ち上げの際は留意すべき点です。

アパレルならではの難しさだと感じたのは下記3点。

1.小ロットで生産できる工場が少ない。
2.既存カラーの制限がある。別注は小ロットでできない。
3.様々な人の手を介するため、スケジュール通りにいかない。
商品改善を短スパンで繰り返すことは難しいけれど、最初からこだわって作りきることで、競合優位になりうると感じています。

  

<生産にかかわる工場と商社>

デザイン会社らしくモノづくりにはこだわりたかったため、OEMは初めから除外。
小ロットでも真剣に向き合ってくださる山本商店有限会社さんにご協力いただきました。
スタートアップである私達の細かな要望にも真摯に向き合ってくださり、サンプル修正を何度も繰り返しました。

<商品展開について>

ゴルフにもビジネスにも対応するベーシックな商品展開に集中しました。
ビビットカラーやパステルカラーは、コンセプトに合わないため、あえて展開していません。
SLDO.のテーマカラーは白、黒、ネオングリーンの3色です。


黒一色においても、いろんな素材の様々な染料のものを何パターンも試し、試行錯誤する日々。

 

国内でできる工場が限られているプリント方法。ここへたどり着くのにも時間がかかった......
ネオングリーンはSLDO.別注カラーです。
(当時はチェックが間に合わず、朝の7時に近所のコンビニの駐車場でサンプルチェックしたりしました。懐かしい。)

商品価値を高める同梱物

デザイン会社の作る同梱物=商品価値を何倍にもする

という考えのもと、質感や厚さなど細部にまで拘り、その他は最小限に抑えて、予算をプロダクトに集中させることを徹底しました。


ECサイトでご注文いただいたお客さまにショップカードを同梱していますが、「さすがデザイン会社!」「見たことのないショップカード」等のお声をいただいています。

 

上質なパッケージデザイン


パッケージを含む付属品のデザインの役割は、視覚的に商品のベネフィットを伝え、手に取ってもらうこと。
SLDO.のブランディング上、上質な付属品のデザインは必須でした。


パッケージデザインとメインビジュアルは弊社のチーフデザイナーである上鍜治が担当し、納期や予算など様々な制約がある中で最高のデザインに仕上がりました。


(私の細かいサイズ指定やら、ややこしい要望にも全てこたえてくれたカジさん)

 

 

2.Price


「提供したい価値」を妥協せず届ける価格設定


現在のゴルフアパレルは二極化しており、高価格帯のブランドでポロシャツ平均18,000円程度。ボリュームゾーンで平均8,000円程度。
SLDO.はその中間価格帯(税抜き15,000円)で販売しています。


昨今は、ダイレクトマーケティングの普及により適切なプライシングが崩れつつあるように感じています。
「良いものを安く買いたい」とお客様がリクエストすることは当たり前ですが、安価にしすぎるデメリットもあります。

例えば価格を抑えすぎることで商品開発への投下資金が減少し、結果として中長期でお客様への還元ができなくなることなどです。

私達は、安さで買ってもらうのではなく「提供したい価値」を妥協せず届けられる価格設定が大切だと考えています。

また一方で、イメージ戦略で高価格に引き上げることはせず、届けたい人にちゃんと手に取っていただける価格帯を守っています。

 

3.Promotion

どう認識されたいのか


優れたブランドは一貫したコミュニケーションのもと作られますが、フェーズや外部環境によって、認知の切り口を適切に変えていくべきだと考えています。
SLDO.は下記のようにキーワードを変えてきました。

 

ローンチ直後


まだ誰にも認知されていない状態。
インスタグラマーによるPRを中心に行い

「都会的」

「経営者」「エグゼクティブ」

などキャッチーな言葉を随所で使用していました。

インスタグラムは世界観の中心の訴求で毎日投稿し続けました。(PR経験はないので、企画内容よりもとにかく数!という感じでした)
結果として、ローンチ後すぐに繊研新聞からの取材やキュレーションメディアに取り上げていただきました。

 

 

現在


ダイレクトマーケティングを開始するにあたり、LTVの高いコアターゲットを明確化しました。
それに伴い、

「上質シンプルでスタイリッシュ」

という訴求の具体化=

「機能性とデザイン性を両立したセンスの良い服を着て、自分のイメージした生活を実現すること」

をプロダクトベネフィットとしました。

 

コアターゲットの明確化

SLOD.は市場に類似商品がないため、立ち上げ初期は経営者をイメージとするエグゼクティブや富裕層をターゲット定義としていました。
(=実際の既存ゴルフアパレルにおけるユーザーの不満点を細分化していなかった)

しかし、既存ゴルフアパレルへの不満(負)の実態が曖昧であるとクリエイティブコントロールが難しく、意図していないネガティブ訴求やデザインになることが多々あります。


社内の共通認識も甘く、

「つまりSLDO.は細身のモデル体型の人が着る高そうなブランドってことでOK?」
「いやそういうことではなくて※△%□・・・」

というやりとりを、弊社のスタッフと100回以上繰り返していました(笑)

ブランドに関する施策の一貫性を生むためには、社内メンバーはもちろん、様々なオペレーションを支援してくれている取引先にも共通認識を持ってもらう必要があります。



ターゲットの解像度を上げるために、顧客層が持つ価値観を深堀りしました。
SLDO.のターゲットは、「身だしなみ」を整え「オシャレにシンプルに暮らそう」とする層です。

・シンプルなライフスタイルかつ、オシャレであろうとする人
・効率的な消費を好むが、質には妥協しない人


これを元に訴求を見直し、各施策に落とし込みました。


ラストベネフィットを伝える


「私のためのブランドだ」という深い共感は、ファンを生み、長くご利用いただけるきっかけとなります。

SLDO.のラストベネフィットは「SLDO.を着ることで生まれる"余白"のある生活」

SLDO.はゴルフとビジネスの両方を網羅するライフスタイルブランドであるため、TPO別に服を選ぶ煩わしさから解放されます。
服を選ぶ楽しさを持ちながら、「時間を捻出する=余白のある生活」は実に経営者発信らしい合理性のあるラストベネフィットとなります。

直接的な表現で伝えることは難しいため、下の図のように、それぞれタッチポイント毎に表現しています。

 

ファネル別コミュニケーション設計


「どこで何を伝えるか」はチャネル別ではなくファネル別で設計することで、訴求内容が明確になり、施策の精度が上がると考えています。

例えばインスタグラムをチャネルで捉えると、ブランドアカウントとUGCの目的が混合してしまう場合がありますが、ファネル別で捉えると下記のように必要なコミュニケーションが変わるはずです。

認知層

=インフルエンサー投稿(より多くの人へ届ける)

潜在層

=公式アカウント投稿(SLDO.のある生活、コミュニケーション)

検討層

=ユーザー投稿(リアルな使用感、着心地、着回しなど)
上記を踏まえて、公式アカウントでは投稿毎のEGM率を、UGC施策ではインスタ経由のCVを指標にコンテンツのPDCAを回しています。

 

 

SLDO.公式アカウントの事例


①2021/5~①2021/5~
・自社素材が少なく、イメージ画像先行
・モデルの選定が決まらず、顔をカットした画像を使用
・リポスト画像と自社画像が混ざる
(UGCとブランドアカウントの役割が一緒になっていた)


②2021/7~
・見ている人自身が「SLDO.のある生活」をイメージできる写真
・SLDO.の顧客層が選びそうな、その時々の暮らしのアイテムをプラス
・リポストはストーリーに投稿し、フィードとの差別化を図る



ファンによるUGC創出

SLDO.のUGC施策のテーマは「共感」です。

SLDO.はバリューゾーンの商品ではない為、訴求を絞らない「この商品着用してみました」という投稿にはあまり相性が良くありません。
また、投稿キャンペーン等のオファーも効果がみられませんでした。

40代以降のユーザーが多く、経営者などの社会的責任のある方々がスタイリングを自撮り投稿することはとても高いハードルです。
私自身が「自分なら投稿できないな」と思うものはユーザーにも強要したくありません。

時間はかかるけれど、ブランドストーリーに共感して好きになってもらうことで、自発的に発信してもらう。
その難しさと価値が分かったからこそ、ブランドブック等も作成も視野に入れています。


コミュニケーションで解決する


SLDO.では

心地よく安心して着用いただくことが商品価値を増幅させると考えています。

なので、CRMでは「お客様の生の声を頂戴する」というテーマのもと改善を進めています。

お客様からの相談はすべて有人対応をしています。
チャネルトークを導入し、私とCS担当の樽谷が1件ずつ丁寧に対応し、私自身も毎月ランダムにユーザーヒアリングを実施しています。
昨今は様々なツールによってコミュニケーションの最適化が可能ですが、お客様の生の声を聞くことが何よりの学びになると考えています。

 

 

おわりに


SLDO.を企画していた当時のノートを見ると、

「自分自身のリミテーションを理解し、"ありたい姿"に向かってイニシアチブをとれる人」

とメモしていました。 (ブランドターゲットのイメージとして書き記していた)

私は、これまで商品企画もマーケティングも全く未経験でしたが、日々思考と実践を繰り返す中で”ありたい姿”に少しずつ近づいているように感じます。
ここまで任せてくれた弊社社長の黒田には心から感謝しています。

今年は新商品やサービス拡張を複数仕込んでおり、より一層速度を上げてブランド拡大していきます。
また、拡大に必要なマーケの仕込みや組織体制なども、統括部長中田を中心に急速に整えています。


たった2人ではじめたSLDO.ですが、少しずつ仲間が増え、ご支援いただくパートナーの皆様にも支えられ、日々全速で進んでいます。
これからのSLDO.とクロコデザインの展開にご期待いただけたら幸いです。

 

 



 

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